2015年11月 未来民主ちば会派視察報告(米沢市)
平成27年11月9日(月)~11日(水)、未来民主ちば会派で、仙台市議会、山形市議会、米沢市議会へ視察に伺いました。今回は、その視察内容について、ご報告いたします。
- 仙台市視察概要(11月9日~10日)
- 山形市視察概要(11月10日)
- 米沢市視察報告(11月11日) ※このページです
米沢市視察報告(11月11日)
1.米沢市の道徳教育について
国が定めた教育方針だけでなく、その地域の特色ある教えを米沢市の教育計画の中に組み込んでいる。
具体的には、「確かな学力」「感性豊かな心」「健やかな体」の知徳体の基本に加え、上杉鷹山公の教えの中にある「目的意識の確立」「倫理感の醸成」「実学性の重視」を継承する、公共心や規範意識などの倫理観・学んだことを生かしてどう活用するかを教育の場面に取り入れていく。米沢市の小中学校には、道徳郷土資料「ふるさと米沢の心」という副読本が配られている。
①第3期 米沢市教育・文化計画について
平成23年度を初年度に、平成32年度を目標最終年次とする10年間の米沢市の教育・文化の方向性と具現化を示した計画。
②米沢市の学校教育目標について 「生きる力を育む学校教育」
平成27年度は、第3期米沢市教育・文化計画の5年目を迎える。これからの時代は、これまで以上に多様な価値観が交り合う次代になることは明白。このような社会に生きる子どもたちには、生きて働く知恵を身に付け、多様性を許容しながらも、様々な問題に主体的に対応していく力がこれまで以上に必要とされる。それは、自分の見方・感じ方・考え方を相手に伝え、人々とのかかわりの中で
よりよく生きようとする社会的実践力を備えた姿といえる。これらを支えるものは、自ら考え、判断・
行動する力であり、つまり「生きる力」である。米沢市では「生きる力を育む学校教育」を目標に掲げていく。
③米沢市学校教育の基本理念について
- 目的意識の確立
一人一人が何のために学び、どのような生き方をしようとしているのか、信念や志をもつこと。 - 倫理観の醸成
人として身につけなければならない公共心や規範意識などの倫理観を、小さいときから時間をかけて育てていくこと。学校教育では、教えるべきことはしっかり教えて身につくようにしていかなければならない。 - 実学性の重視
ただ時代の流行を追うことではなく、社会の変化や時代の要請を感性豊かにとらえ、学んだことを活かし活用していく柔軟性を持ち、自他を認め合いながら、生きる力を備えることととらえている。
④めざす子ども像
「がってしない子ども」 へこたれなく忍耐があり、それでいてあたたかな心をもっている。
⑤平成27年度学校教育指導の重点
- 感性豊かな心と健やかな体の育成
いのちの教育、心の教育の充実。健康でたくましい心身を育む教育の充実。 - 一人一人に確かな学力の定着
学ぶ目的意識を持ち、将来の生き方を考える教育の推進 - 社会とともに生きる力の育成
地域の歴史・文化・自然等の学習の充実。コミュニケーション能力の育成。 - 自立と社会参加を目指した特別支援教育の推進
適応指導員を増加し、個に応じた指導の充実
⑥学校教育の重点を支える共通実践
- 基本的生活習慣・学習習慣の確立
「子どもの生活習慣の確立は健全育成と教育の礎である」という共通理念のもと、子どもの生活習慣を見直し、規則正しい生活習慣の育成を図るとともに学習習慣の定着化を共通実践として取り組んでいる。 - 小、中学校の連携の強化
学力面・体力面・生徒指導の分野で連携を図っている。
⑦道徳郷土資料集「ふるさと米沢の心」及び映像教材作成について
- 目的
郷土の先人の伝記、逸話などの題材を取り上げて、その生き方、考え方などを学ばせることによって、児童生徒の道徳性を養い、併せて郷土に対する深い理解と愛着を培う。 - 道徳郷土資料集「ふるさとの米沢の心」の発刊
米沢市では、「心の教育」の充実のため、昭和56年より道徳郷土資料集『ふるさと米沢の心』を発刊。数回の改訂を行い、小学3年から中学3年までの全児童生徒に配布し活用を図ってきた。 - 道徳郷土資料・映像教材制作
道徳郷土資料集のうち、時代背景や文章の難解なものについてより効果的な活用を図るため、資料集をもとにビデオ資料を作成し、小・中学校に配布した。
⑧道徳教育全国大会・東北大会の開催
平成22年10月、第46回全国小学校道徳教育研究大会及び第11回東北地区中学校道徳教育研究協議大会を開催。これからの道徳教育の在り方について研究・研修を深めることができた。
⑨キャロライン・ケネディ大使 来訪キャロライン・ケネディ大使 来訪
平成26年9月27日に、大使が米沢市を訪問。大使の父であるジョン・F・ケネディ元大統領が尊敬していた、上杉鷹山公の人柄・残された功績・生き方をされていたのかを知り、鷹山公の「なせば成る なさねば成らぬ何事も 成さぬは人のなさぬなりけり」の言葉を共に改めて学習している。
道徳郷土資を学ばせるのに郷土の先人の伝記・逸話などの題材を取り上げて、生活・考え方を学ばせることにより、児童生徒の道徳性を養い、郷土に対する深い理解と愛情を養うのは大切。千葉市の道徳教育に活かしていきたい。