2012年7月 個人視察(始興市)

午前8時にソウル市を出発し、始興市(人口40万人強)へ。
始興市では、市長・副市長と会談する予定でしたが、先方の都合により急遽、総務局長と面会し、始興市における電子政府概要、電子自治体サービスの状況、セオル行政システム、電子文書決裁システム等について説明を受けました。
電子政府とは、情報テクノロジー・ITを活用して、行政機関の事務を電子化することで、行政機関相互の、更には国民に対する行政業務の効率化を図るものです。
現在、韓国では地方自治体の各種システムを統合化し、全国一律のサービスが受けられるようになっています。
国民一人ひとりが持つ共通番号とカードによって個人認証が行われ、全国どこの自治体の窓口でも住民票等が受け取れることはもちろん、24時間稼動している自動交付機により、日本よりも遥かに多くの手続きがオンライン上で処理できます。
また、オンラインでは定められた仕様のプリンターにより自宅で印刷ができ、手数料も無料です。行政にとっても、一つの統合システム上で様々な業務が処理でき、ワンストップで住民サービスが提供できます。
総務局長が何度も言われていたように、本システムは「住民のサービス向上を第一に考えたシステム」であり、その統合効果は大きく、行政コスト・住民サービスともに、電子政府部門において、韓国は世界的にも先進国となっています。
始興市では、この電子政府推進の成果として、365日24時間開かれている統合電子請願窓口サービス、総合福祉サービスホームタックス(OECD電子税制優秀事例)、国民参加申聞鼓(目安箱)国家電子調達総合システム(ナラ市場)等が挙げられ、世界最高デジタル電子政府、2010年度国連電子政府指数評価において、世界1位の栄を受けています。
さらに、電子決裁システムについては、決裁文書の内容によって区分され、他の部署でも閲覧可能であり、それぞれの交流も可能となっています。
この行政情報共同利用システムの長所としては、ワンストップサービスで決済までの時間や交通費などが節約され、市民の大きな満足度に繋がっています。将来、千葉市でも電子決裁システムが導入されれば、縦割り行政の解消も図れ、市民サービスが向上する可能性が期待されるところです。
個人視察(始興市)