平成24年第4回定例会 (11月27日~12月14日 ・ 質問日:12月13日)

一般質問の内容
  1. 認知症高齢者に対する支援について
意見・要望
  1. 改正介護保険法では、施設から在宅介護中心の地域包括ケアへと大きくシフトされました。
    当初、国は、施設介護は費用がかかるので、給付を抑制するため在宅へシフトさせると言っていましたが、今回の国の試算では、地域包括ケアが施設ケアよりも介護に係る財源を増加させ、仮に消費税を増税しても、2025年には1号被保険者の月額介護保険料が8千円を超えることが明らかになりました。
    また、地域包括ケアは、これまでの介護保険サービスが、認知症に対する介護サービスへ大きく転換されたことを意味します。今回、全国で認知症高齢者305万人という数字も、地域の中で認定を受けていない、把握できない方々を含めると更に多くの認知症高齢者が潜在していると思われ、この増加する認知症高齢者への対策は最重要課題です。
    しかし、新たに始まった24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスも、認知症介護で重要な「顔なじみ」のサービスが提供できず、結果、ご本人に混乱をもたらし、認知症ケアに不向きであることが想像できます。
    認知症介護は、決して特別なことではなく、誰もが突然迎える可能性が高く、認知症の方を地域で支えるということは、近い将来、独居高齢者の介護や老老介護の世帯の問題が、一層身近で深刻化することとなり、さらには、医療の場における延命治療の是非や、介護現場における看取りの判断を、本人に代わって誰がするのかという未解決の問題を、ますます顕在化させます。
     「自宅を病院・施設の部屋に、地域の通りを廊下」にという地域包括ケアの社会が実現するには30年かかります。認知症になっても安心して自宅で過ごせることは理想ですが、そのためには、これまで述べた独居や高齢者世帯への見守り、権利擁護、さらには医療と介護の実のある連携、受け皿としての施設の整備、介護にからむ離職の問題等々、認知症対策として千葉市が今すぐにでも取り組むべき課題が山積みされています。
    その意味で、本市の今後の取り組みには大いに注目してますが、最後に、今回の認知症高齢者への支援の中でも、まずは「認知症疾患医療センター」と「あんしんケアセンター」、そして医療機関と介護施設との実質的な連携強化、地域の社会資源となる認知症サポーターの活用、コミュニティー・ソーシャルワーカーや市民後見人等の更なる育成を、特に強く要望しました。
千葉市の現状
  1. 認知症疾患医療センターとあんしんケアセンターとの連携強化を図り、両センターを軸に施策を展開します。