2014年1月 大都市制度・都市問題調査特別委員会視察報告(川崎市・福岡市)

平成26年1月23日(木)~24日(金)、大都市制度・都市問題調査特別委員会にて、神奈川県川崎市並びに福岡県福岡市を視察しました。 今回は、その概要について、ご報告いたします。

川崎市視察項目の概要(1月23日)

  1. 本庁舎整備について
  2. 県市間の連携について
本庁舎整備について
1.現状と課題の整理
  1. 耐震性能不足により、庁舎が抱える現状のリスク
  2. 既存庁舎の老朽化 (本庁舎は築75年、第2庁舎は築52年を経過)
  3. 既存庁舎等の分散化
    行政サービス低下や執行体制の非効率化が生じている。
    民間ビル賃借により、年間約5.5億円の賃借料負担が生じている。
  4. ランニングコストの現状
    賃借ビルでは、既存庁舎の4倍以上の維持管理費がかかっている。
  5. 設備・機能面での課題
    駐車場・駐輪場不足対策、バリアフリー対策、セキュリティ対策が必要。
  6. 既存庁舎等における狭あい化
2.本庁舎・第2庁舎における抜本的耐震対策手法

必要とされる耐震性能を確保し、老朽化・分散化・狭あい化などの課題を抜本的に解決可能し、50年間の総コストを検討した結果、「庁舎建替」とする。

3.新庁舎の立地場所の検討

地震等の影響、機能・サービス、コストについて検討した結果、「現庁舎敷地での建替
え」とする。

4.新庁舎整備における基本構想のまとめ
  1. 防災・危機管理
    市民の安全で安心な暮らしを確保するため、発災時には災害対策活動の中枢拠点として十分に機能する市庁舎
  2. 施設機能・経済性
    すべての利用者に配慮し、効率的な執務が可能で、経済性が高く、将来の変化に柔軟に対応できる持続可能な市庁舎
  3. 環境配慮
    地球温暖化対策の積極的な推進による、環境にやさしい市庁舎
  4. 文化・おもてなし
    川崎市の文化などの情報を発信するとともに、国内外からのお客様をもてなし、市民からも親しまれる市庁舎
  5. まちづくり
    今後のまちづくりや施策と相互に連携し、防災や人の流れに配慮した、まちづくりに資する市庁舎
県市間の連携について

県と政令指定都市が当面する共通の諸課題への共同のアプローチによって、より効果的な問題解決を図るため、昭和50年に「県・横浜・川崎三首長懇談会」として設置、毎年度1回開催されています。また、平成22年度から新たに政令指定都市となった相模原市を加え、「県・横浜・川崎・相模原四首長懇談会」になりました。

平成25年度の主な会議内容

1.報告事項

  • 地震発生時等に備えた協力体制の強化・推進
  • 協議事項
    (1) 地方分権改革の推進
    (2) 国際競争力の強化に向けた首都圏の空港政策の充実
  • 意見交換
    (1) 水素ステーションの整備促進について(神奈川県提案)
    (2) 公共施設の老朽化対策等について(相模原市提案)
    (3) 子どものネット依存症対策について(横浜市提案)
    (4) その他・・・2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組

福岡市視察項目の概要(1月24日)

  1. 九州府構想について
  2. 県市間の連携について
九州府構想について

九州域内の市長又は福岡県内の市長により構成される「九州市長会」では,住民目線,基礎自治体の立場から九州における道州制を検討し,平成18年10月に「『九州府』構想報告書~10年を目途に道州制実現をめざす~」を,さらに平成21年10月には「九州府実現計画報告書」をまとめています。また、平成24年5月には「九州府構想推進計画報告書」を策定しました。

県市間の連携について

個人住民税の給与からの特別徴収について、H24年度から福岡県と連携し、福岡県内市町村が一斉に特別徴収実施の勧奨や広報等に取り組んでいます。

1.事業所等への特別徴収実施の勧奨
チラシやパンフレットを未実施の事業所等に一斉に送付するとともに、電話や個別訪問により勧奨を行っています。※福岡市は3,326事業所に勧奨

2.特別徴収実施推進の広報・周知
・税理士への広報・周知
・年末調整説明会での広報・周知
・市ホームページでの広報・周知