平成30年度 第4回定例会(11月27日~12月14日) 質問日:12月7日
平成30年第4回定例会において以下一般質問を行いました。
一般質問の内容
- 地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みについて
- 区役所窓口のワンストップサービスについて
- 再生可能エネルギーの導入推進について
地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みについて
<意見・要望>
地域包括支援センターは、介護サービス事業者、医療機関、民生委員、ボランティアなどの関係者との連携に努めなければならないことに加え、市町村は包括的支援事業の実施に際し、委託型の地域包括支援センターに対して保険者の運営方針を明示することで、当該市町村の主体的な取り組みであると看做されます。
委託型の地域包括支援センター、あんしんケアセンターが大きく増設されたことは評価できます。委託型は、フットワークが軽く、地域の事情がそれぞれ違う中で、従来の機能は十分果たしてきたと思います。それでも現在、業務負担が過大となっていることも事実です。
行政主導による基幹型センターを一つでも置くことで、委託型の「あんしんケアセンター」を統括し、行政その他との調整、委託型の後方支援、センター職員の人材育成に繋がります。また、基幹型センターを核として、既存のあんしんケアセンターがサテライト的な役割を果たしながら地域の相談、支え合い、連携のネットワークの構築を推進すれば、本市における地域包括ケア体制をさらに加速させることが可能であると思われます。
一般に、業務を委託してしまう場合、行政は現場から遠ざかる傾向にあります。その意味では、現在の「あんしんケアセンター」の業務は、本市の政策実施業務であるものの、逆に行政直営と比較して委託型である現センターは、業務の課題や改善点を見つけにくくなります。直営の基幹型センターを設置することで、現行制度の問題や地域の課題が直接行政に届き、次の計画や政策に活かせると思われます。本市では、基幹型の重要性を余り認識されていないように感じますが、是非、ご検討ください。尚、あんしんケアセンターの機能強化は今後も是非お願いします。
在宅医療・介護連携支援センターの役割は、今後ますます重要になると思われましたが、一方、医療・介護の必要性は低いものの、家庭の事情や住宅事情から日常生活に支障があり、何らかの生活支援を必要とされている高齢者も増加し、そのような方々に生活支援サービスを提供する地域の基盤づくりが重要です。
本市での地域包括ケア体制の整備状況が、まだまだ、これからです。高齢者人口が今後増加していく中で、介護関係の人材はますます不足することが予想されています。地域包括ケアにおける在宅のサービスは、まさに人による人海戦術です。生活支援サービスの構築並びに要支援者への総合サービスの推進に関して、2025年まで、あと6年しかないという危機感をもって、取り組んでいただきたいと存じます。
<千葉市の現状>
1.あんしんケアセンターについて
現在のあんしんケアセンターはすべて、委託型であり、高齢者人口の増加や、あんしんケアセンターの業務量の増大等により、平成29年度にセンターを24か所から30か所に増設しました。
また、高齢者人口に併せて毎年、センターの包括三職種である専門職員を増員しており、現在の141人から、来年度には143人に増員する予定となっております。
そのほか、基幹型センターに替わる役割として、29年度に3区、今年度より全区の保健福祉センターに、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員からなる「あんしんケアセンター支援担当職員」を配置し、あんしんケアセンターの総括及び総合調整を行うとともに、相談、助言及び関係課との調整を行い、あんしんケアセンターの機能強化を図ってまいります。
2.生活支援体制整備について
日常生活上の支援が必要な高齢者が在宅生活を継続するために、地域に不足するサービスの創出、サービスの担い手となる人材の育成及び関係者間の情報共有などのコーディネート機能を担う生活支援コーディネーターを、平成27年10月から、各区に配置し、今年度より日常生活圏域を担当する第2層コーディネーターを中央区の5圏域に配置しております。
また、把握した情報を冊子にまとめた「生活支援サービス活用ガイド」を作成し市民に配布するほか、昨年度末までに、日常生活支援に関する情報952件を、厚生労働省の介護サービス情報公表システムを用いて公表しております。
さらに、2020年度には、第2層のコーディネーターを全区に配置する計画となっており、より地域のニーズに即したサービスの提供体制を整備してまいります。
区役所窓口のワンストップサービスについて
<意見・要望>
実際に家族が亡くなってみると、区役所をはじめ法務局、税務署、金融機関等々、その手続きの多さに翻弄され、心身共に遺族は疲れ果てます。中でも、亡くなって2週間程の間にはかなり多くの手続きが区役所などで必要になります。高齢化が進むわが国では、質問の中でも述べたように、毎年亡くなる人の数は増えていきます。そのような背景を思えば、今後、遺族も高齢になればなる程、死亡にかかわる一連の手続きで大変な思いをされる高齢者も増えることは、容易に予想されます。
死亡に関する専用窓口、お悔やみコーナーは大分県別府市、神奈川県大和市のほか、三重県松坂市や兵庫県三田市など現在各地で導入の動きが出ています。また、船橋市の書かない窓口は、窓口職員が手続きに来た方の申請内容を聞き取り、確認しながら書類作成をすることで、結果として手続全体の時間が短く済む場合もあると聞いています。
国も、内閣官房のIT総合戦略室で昨年から死亡・相続の手続きを電子化し、ワンストップで手続きができないか検討を始めています。このことは、死亡に関する手続きの負担は、国が遺族や行政にとっても大きいと位置付けている証左だと言えます。
昨今、自治体では業務の効率化を目指して改革が推し進められており、本市においても総合相談窓口の設置など、市民にとっても大きなメリットとなる改革が推進されてまいりました。お悔やみコーナーは、行政側にも市民にとってもメリットのある取り組みであり、まさに、市民に寄り添った窓口改革の一つと言えます。当局におかれましては、住民サービスの最大化こそが行政の使命でもあることを改めてご認識いただき、今後、死亡に関する手続きのワンストップ窓口を、是非、ご検討くださいますようお願い致します。
<千葉市の現状>
- 死亡に関係する手続は多岐にわたることから、ワンストップ窓口で受付できない行政手続や公共料金などの行政で取り扱うことができない手続も含めて、市民の皆様が的確に手続が行えるよう、関係手続や取扱窓口等を一覧にした「死亡届に関係する各種手続のお願い」とのリーフレットを各区役所で作成して、ご案内しています。
- 区役所ワンストップ窓口は、手続に要する時間の短縮を目的の一つとして進めて参りましたが、今後、手続に来庁される方の高齢化が進むにつれて、手続に多少時間を要してでも窓口の移動や申請書等の記入の手間を極力省きたいとのニーズが高まることも想定し、これに対応できるよう、他都市の取組み等も参考に窓口の在り方を研究して参りたいと考えております。
再生可能エネルギーの導入推進について
<意見・要望>
本市において地域創生、高齢社会への対応、健康増進といった様々な課題に取り組みや解決が図られる中で、併せて再生可能エネルギーの導入を行うことにより、これまで以上に再生可能エネルギーを推進することができると考えます。
本市においても、今回の計画改定を機に、関係部局が連携を密にすると共に、分野横断的な取組みを構築し、再生可能エネルギーの導入を一層推進されるよう要望いたします。
再生可能エネルギーの導入は、市域における温室効果ガス排出量の削減、災害発生による大規模停電時の電力供給を賄う等、導入のメリットも多大ですが、発電事業の側面から見れば、設備導入時の資金調達、設備の安全性確保、発電能力維持のためのメンテナンスの実施が必要となるほか、地域住民と良好な関係を構築しつつ、長期にわたり安定的に事業を継続することが求められることから、これらを担う組織を地域で設立すると共に、地域の事業者を活用し事業運営を行うことが、地域主導型の再エネ導入を推進する上で重要と考えます。
また、導入支援の多くは、設備導入時のハード整備に対する財政的な支援ですが、一方、人材などのソフト的な支援策も重要と思われます。本市におかれましては、この専門人材の育成並びに支援体制の強化をお願いします。神奈川県や長野県では、自治体が地域に拠点を有する中小企業者、NPO法人等が、地域の施工業者を活用して再エネ導入を行う事業等について、独自に財政的な支援を行うことで、既に地域で再生可能エネルギーの導入を行うプレーヤーを創出しております。
このような先進自治体の取組みを参考に、本市としても今般改定した計画に掲げた考え方に基づき、是非、地域主導型の再エネ導入を推進されますことを要望いたします。
○要望事項1
・分野横断的な取組みの構築による再生可能エネルギー導入の一層の推進
【千葉市現状】
分野横断的な取組みの構築につきましては、昨年6月に、千葉市再生可能エネルギー等導入計画を改定する中、営農型太陽光発電設備の導入推進を新規施策に加え、農業収入の安定化と再生可能エネルギーの導入を両立する取組みを開始したところです。
今後も、必要に応じて関係部局との連携を図り、再生可能エネルギーの導入を推進して参ります。
○要望事項2
・再生可能エネルギーの導入支援を行う専門人材の育成及び支援体制の強化
【千葉市現状】
再生可能エネルギー導入支援を行う専門人材を育成する取組みは実施しておりませんが、国が再エネ導入をサポートするため設置した「再エネコンシェルジュサービス」について、市としてもホームページ等を活用し周知に努めており、事業者に対し専門家の活用を促すことで導入支援を行っております。
○要望事項3
・独自の財政的支援による地域で再生可能エネルギーの導入を行うプレーヤーの創出
【千葉市現状】
地域主導で再エネ導入を行う事業に対する財政的支援については、他自治体が取り組んでいる先進事例の効果を見極めたのち、必要に応じて具体的な検討を行って参ります。